医師のためのChatGPT講座③:症例報告作成~ChatGPTはJ-OSLERの病歴要約を作成出来るか~

ChatGPTは、これまで説明したとおり「言葉を扱うこと」に特化したツールです。では 症例報告や J-OSLER の病歴要約を作成することは可能なのでしょうか?

本章ではChatGPTを使って症例報告を作成する具体的な方法と、活用する際の注意点を解説します。「症例報告をもっと早く書けるようになりたい」「病歴要約を効率化したい」という方に役立つ内容です。

目次

ChatGPTを用いて症例報告を作成する~J-OSLERへの活用とその注意点~

本章ではChatGPTを用いて症例報告や病歴要約を作成する方法を紹介しますが、これはあくまで効率化のヒントとして提示するものでありChatGPTに丸投げすることを目的にしたものではありません。特に内科専攻医制度においては、専攻医自身が学び、考え、記述することが求められます。

「内科専攻医登録評価システム(J-OSLER)における生成AI利用ガイドライン」では、生成AIを使用する際の重要な注意点が示されています。症例報告や病歴要約をChatGPTで作成する際には、以下の点を必ず守ってください

🔒 J-OSLERで生成AIを使う際の重要な注意点(必ず遵守)

  • 入力した内容を学習に使用されない設定にすること。→ 設定で「データを学習に利用しない」を必ずオフにする。
  • 患者の個人情報を入力しないこと。(ID・氏名・住所・生年月日・病院名など)
  • 症例報告・病歴要約の本文中に、AIをどのように使用したかを明示すること。→ 例:「文章構成案の作成にAIを使用した」など、使用範囲を開示する。
  • 考察・自己省察はAIの出力をそのまま使わず、必ず自分の言葉で書くこと。→ ChatGPTの文章をコピペすることは、ガイドライン違反です。

その他にもいくつか注意点が記載されています。これらのポイントをしっかりと理解したうえで、次の章から ChatGPTを安全かつ効率的に活用しながら症例報告・病歴要約を作成する方法 を紹介していきます。

ChatGPTでJ-OSLERの病歴要約を作成する

では実際に病歴要約を作成するプロンプトを紹介していきます。先ほどの章でも説明した通り、ChatGPTは複数の作業を同時に行うことは苦手です。そのため病歴要約の作成についても段階的に出力していくプロンプトを使用するのがよいです。

まず最初に以下のようなプロンプトを示し、全体の進め方、病歴要約の形式などをChatGPTに理解させるようにします。

これから J-OSLER の病歴要約を段階的に作成します。

【前提】
① はじめに病歴要約の見本PDFを送ります。
 あなたは PDF を読み、構成・書き方・段落の流れを理解してください。
② 理解できたら「はい」とだけ返答してください。
 ※ この時点では文章を作成しないこと。

【作成方法(重要)】
私は項目ごとに情報を入力します。
あなたは、入力された部分「のみ」について文章を作成してください。
まだ伝えていない項目については、絶対に書かないでください。

【作成する項目】
① 主訴 → ② 既往歴 / 社会歴 / 家族歴 → ③ 病歴
→ ④ 主な入院時現症 → ⑤ 主要な検査所見 → ⑥ 入院後経過と考察 → ⑦ 総合考察

【進め方】
1. 私が項目の情報を入力
2. あなたが文章を出力
3. 私が「修正指示」または「修正した文章を送信」または「次へ」と返答
 → 「次へ」の場合、次の項目に進む
4.この作業を繰り返し病歴要約を作成する

理解したら「はい」とだけ返答してください。

この後に見本となるPDF(病歴要約サンプル等)を送信し、作成を開始していきます。主訴→既往歴/社会生活歴/家族歴→という形で進めていきます。実際に使用する際にはまず自身の言葉で入力し、出力結果を鵜呑みにせずその都度判断していくことが重要となります。ChatGPTはカルテや検査結果のスクリーンショットを張り付けるとそのまま文字に出力してくれるという機能があり、血液検査結果などを記載する際には非常に便利ですが、スクリーンショットに個人が特定できるような情報が記載されているような場合には絶対に送信してはいけません

各章の入力には以下のプロンプトを入力して進めます。

【このステップでやること】
・以下の症例データを、見本と同じ文体で文章にまとめてください。
・まだ次の項目には進まないでください。

【見本】
""

【症例データ】
""

【出力条件】
・事実を記載する(推測や憶測はしない)
・見本に忠実な文体で出力
・字程度
・略語は使用しない

【ファイル使用に関する指示】
・添付した PDF / 画像 を読み取り、症例データとして扱ってください。
・私が入力する箇条書きの症例情報と照らし合わせ、必要な情報を統合してください。
・ファイル内の情報を引用する場合は、事実のみを記載してください。

【重要】
・ファイルに含まれるデータは「私が入力した項目」に該当する部分のみ使用してください。
・あなたの推測で追加の情報を作らないこと。
・意味不明な文字や画像が読み取れない場合は「読み取れた範囲で」と前置きして出力してください。

見本】のところに別の症例やサンプルの同じ項目を入力、【症例データ】のところに自身の言葉での草案を入力し、検査データなどの画像があればプロンプトに添付する形で進めます。出力された結果について修正が必要であれば修正点を記載し、必要でなければ次へと入力します。総合考察については参考文献が必要になるため以下のプロンプトを追加します。

【総合考察作成(文献引用)に関する指示】
・総合考察を作成する際、必ず3本の文献を明示してください。
・引用する文献は、主要なガイドラインや信頼性の高い有名な論文を優先してください。
・文献は見本のような形で示してください。
・文献を引用する際は、必ず文献の内容に基づく記載にし、引用を明示すること。
・文献の内容を誤解・誇張・推測して書かないこと(文献の内容に忠実に書く)。

この作業を繰り返して作成していきます。

まとめ

このプロンプトを用いて病歴要約の作成を試したところ、各ステップごとに数回の修正は必要となるものの、臨床現場で使用できるレベルの病歴要約を作成できると感じました。とくに、血液検査データの整理や、症例の経過に沿った文献の検索においては非常に有用だと感じました。最後に繰り返しになりますが、Chat GPTに丸投げするのではなく、自身で考え、作成するように心がけましょう

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